二項対立から4諸元の関係へ

知識創造理論や学習する組織を再読。

最近、紹介されるイノベーションプロセスやツールなるもので足りてないのは、野中のいう、「二項対立ではない」ということではないかと思う。

例えば、

・需要と供給

 →ニーズは何か?に陥る

・課題とソリューション

 →課題は何か?に陥る

・認知とメタ認知

 →メタ化する作業だけになってしまう

場合によっては、

暗黙知形式知という二項対立によってSECIモデルのループにならないと言っている例もある。

SECIモデルの4つは、

・共同化(暗黙知から暗黙知へ)

 デザインマネジメントに照らせば、自己原理の内省と近似

 自己が物事に対して、既存の意味をもつ背景を知る

・表出化(暗黙知から形式知へ)

 デザインマネジメントに照らせば、他者との対話に近似

・連結化(形式知から形式知へ)

 デザインマネジメントに照らせば、他者との関係性への気づき、また、社会文化的な文脈での解釈。ただし、ここでは異なった形式知との組み合わせによて、新たな創発を起こすものと、自身がとらえる物事やアイデアの既存の意味をアップデートする2つのパターンがあると考えられる。野中にしてもセンゲにしても「ループ」と呼ぶ表現にこれが内在化していると思われる。今後、検討。

・内面化(形式知から暗黙知へ)

 デザインマネジメントに照らせば、自己原理のアップデート

 自己が物事に対して、新たな意味に再定義が可能な状態になる。

 

なお、問題なのは、内面化したことで「それがイノベーションにつながるか?」への解があるかだと思う。

私は、意味の再定義には3つのプロセスがあると考えている。

 ①既存の意味

 ②意味の転回

 ③新たな意味

このプロセスで生まれた事例は多くあり、そのいくつかはストックが必要だと思う。私で言えば、航空機を人・物を運ぶものから空飛ぶハイテク機器と意味論転換し、アイデアを作った。

この4つの諸元への展開が、デザインマネジメントと厳密に相関するのか。

意味の再定義の3つのプロセスが実証できるものか。

連結化については、新たなアイデア創発と自己原理のフィードバックという2方向がある点のは間違えていないか

の3つは、今後の研究材料としたい。